アムールヒョウ一頭が神戸市立王子動物園からやってきます。

ポン(メス)は、広島市安佐動物公園でベル(父)とチャイムの(母)の間に2008年11月12日に生まれた 3兄弟のひとりです。兄弟は「ピン」「ポン」「ダッシュ」と名付けられ、現在「ピン」は福山市立動物園、「ダッシュ」は横浜市立よこはま動物園ズーラシアで暮らしています。

ポンは2011年から神戸市立王子動物園で暮らしていましたが、この度、当園に引越をすることになりました。今回の移動は繁殖目的ではなく、王子動物園での他個体の繁殖を促進するためのものです。

当園ではハズバンダリートレーニング(動物に協力してもらって、健康管理を行うためのトレーニング)や環境エンリッチメント(限られた広さの展示場内で、動物の多様な行動を引き出し、楽しんでもらえるように行う工夫)を用いて生活の質を高め、ポンにセカンドライフをゆったりと過ごしてもらえるよう努めたいと思います。

※アムールヒョウは公益社団法人日本動物園水族館協会生物多様性委員会の種保存事業の中で血統登録がなされており、今回の移動は種管理計画にも則したものです。また、アムールヒョウは国内だけではなく、国際的にもGSMP(国際種管理計画)の対象種となっています。大牟田市動物園におけるGSMP対象種の飼育は、レッサーパンダに次いで 2種目となります。

<アムールヒョウとは>
ロシア極東部沿岸周辺の森林地帯に生息しています。ヒョウの中では最も北に生息しており、高いところを好み、木登りが得意なことで知られています。森林伐採や毛皮目的の乱獲により野生下では約50頭が生息するのみとなっています。そのため、IUCNレッドリストでは絶滅危惧IA類(CR:最も絶滅に近いカテゴリ)にカテゴライズされ、ワシントン条約(CITES)では附属書Iに掲載されています。

国内では2017年12月31日現在15頭(オス7頭、メス8頭)が飼育されていますが、現在のところ九州では飼育されていません(大牟田市動物園にポンが来た後は、ポンが九州唯一のアムールヒョウとなります)。